多聞小学校のZoom活用事例「ラジ体」

今年8月、世田谷区立多聞小学校より101名以上利用できるZoom大規模ミーティングの利用申し込みがありました。
昨年も同じタイミングで大規模ミーティングをご利用いただいたのですが、聞けば「ラジオ体操に使います。」とのこと。
校庭からの中継なのかな? 
自宅からZoomで参加する子供もいるのかしら・・・カメラや機材、スタッフ体制はどのようなものなのか、お話を聞いてみることにしました。
すると、それはイメージしていたものとは全く違う、学校も全面協力により夏休み最後に行うラジオ体操イベント「ラジ体」でした。

まずは、動画を見ていただくのが早いというので、「ラジ体」で流す動画を早速見せていただきました。

【開始時間は7時25分】
校長先生、PTA会長と、体操のお姉さん(保護者です!)が並んで挨拶をしてスタート。
PTA会長からのお話しや、「おはようアンケート」などで場を温めているうちに、参加者が続々集まってきます。

【ラジオ体操スタート】
体操の模範をするのは先生方です。(事前に収録)
Zoomの前の児童も一緒に体操。楽しそうです!

【先生によるクイズが始まりました】
ラジオ体操だけでは終わりません。
この日のクイズは、「夏休みに一番遠くに行ったのは誰でしょう?」。
画面上に並んだ先生方が、順番に答えを発表していきます。

正解は、「パリ」と答えた先生でした。オリンピック観戦に行かれたそうです!!
クイズの回答は、事前に配布された回答用紙に書き込んで、二学期に提出する仕組みです。
3日間参加したら金の鉛筆、1日でも参加すれば参加賞がもらえます。
新学期に備えて、鉛筆を持つ習慣付けにもなっているそうです。

【先生方、主事さんからのメッセージ】
最後に、各学年の担任の先生や主事さんたちが入れ替わりながら、「みんなが学校に来るのを待ってるよ~!」という、なんとも温かいメッセージが続きます。


これを3日間、別バージョンで実施します。
確かに、これなら、学校が始まるのが楽しみになりそうです。
なんと素敵な企画なのでしょう。
全部で20分弱のイベントで、学童に行く子供たちも最後まで参加できるように、7時45分には終了します。

「ラジ体」が始まったのは、コロナ禍により学校に集まって行うラジオ体操ができなくなった2021年度からだそうです。
あと三日で2学期が始まるというタイミングで、子供たちがスムーズに新学期を迎えることができるように、早起きの練習も兼ねて、ズームを使ってみんなでラジオ体操しましょうというものです。
事前に収録した画像は、専門知識のある保護者が編集しているとのこと。
毎回、約200名の児童の参加があります。
校長先生はじめ、先生方もZoomに参加してくれるので、Zoom越しに担任の先生を見つけることも楽しみの一つになっているようです。
先生方にとっても、新学期の話題作りに役立っているのだそうです。
課題をお聞きすると、動画が重いので、Wi-Fiの回線の状況によって、動画がずれてしまうこととのお答えをいただきました。
今後、保護者有志で組織している「ITサポーターズ」にも相談しながら、来年に向けての改善策を考えていくそうです。

多聞小学校では、他にもZoomを使った「たもラジ」があります。
これは、会長と校長先生が語り合うという30分程度の番組で、土曜授業の日の朝に保護者向けに配信しています。
質問をチャットで受け付けていて、保護者にも好評。毎回約80名の参加があるそうです。
保護者と校長室との距離を縮めることにも役立っています。

卒業式、入学式、運動会でもZoomでの中継をするなど、Zoomをフル活用している多聞小学校。
一方通行にならないよう、子供たちも参加できるアンケートなどの工夫はとっても参考になりますね。