PTA改革事例 〜コロナ禍でのPTA活動〜

「PTA改革」にも様々なものがありますが、IT化を進めることで役員の負担が軽減できると考えたのが、世田谷区立玉川小学校の小林会長です。
都小Pが展開しているPTA支援事業を活用することで、オンラインでの作業効率が格段に上がり、時間の制約に悩まされることが減りました。

・改革のきっかけ
玉川小のPTA役員は総勢15人。
共働きや介護などで時間の制約が増え、以前のように「空いた時間」でPTA活動をすることが難しくなっていることもあり、これまで通りの活動を続けることが困難になっていました。
役員の負担を軽減すべく、活動内容の改革に着手。
「PTA活動に時間を割ける人が、年々少なくなってきている。多くの単Pが同じ課題を抱えていると思う。私達の改革が少しでも参考になれば」と小林会長。

・IT化で負担を軽減
始めに取り掛かったのがIT環境の整備。
都小Pが展開しているPTA支援事業を活用し、Zoom、Wi-Fi、Google Workspaceを導入。さらにLINEワークスの試験的導入も開始しました。
「IT化を進めるにあたり、”あったらいいね”を形にしてくれたのが都小Pの支援事業。整いつつある環境を、いかにうまく活用していくかが今後の目標」とのこと。

コロナ禍以前は年12回以上開いていたという役員会や定例会は、Zoomを活用することで、それぞれ年3回程度まで激減。オンラインを活用することで、中止や延期を回避でき、「いつでも会える場所」として活用できるようになりました。
役員会を減らすための取り組みとして、サイボウズを導入。掲示板を活用することで、役員会決議から、ちょっとした質問にいたるまでカバーできているそうです。
おたよりなどの文書管理は、すべてテンプレート化。配布したものも含め、サイボウズにファイル保管しています。
PTAガイドブックもデザインを一新。
玉川小PTAのホームページに公開し、いつでも閲覧できるようにしました。
PTAからのお知らせは、世田谷区の保護者連絡システム「すぐーる」を活用して配信。
これまで保護者会で口頭で伝えていた「役員からのお知らせ」も廃止し、さらなる負担軽減につなげました。

IT化を進めることで役員の負担が減り、余裕を持って動くことができるようになりました。
議事録は、各役員がそれぞれの発言内容をweb上で書き込んでいき、最後に書記が整えるという仕組みに変えました。
以前のように、子供を寝かしつけた後に夜中まで作業するということがなくなり、時間にも気持ちにも余裕ができたといいます。

・委員会を一部休止
現在、玉川小には「IT委員会」をはじめ9つの委員会がありますが、令和4年度は研修委員会とリサイクル委員会の活動の休止を決めました。
コロナ禍で、大人数で集まって作業することが難しくなったからです。
今後、感染状況が改善すれば順次再開を検討していきます。
「思い切って休止を決めたことで、イベントなどの中止や延期の心配をしなくて良くなり、精神的な負担も減った。慣例にとらわれず、状況に応じて適切な選択をしていくことが大切だと実感した」と小林会長。

・今後の課題
役員の負担を軽減できたことも含め、PTA活動をどのようにPRしていくかが課題の1つ。
「面倒、負担が大きいという従来のイメージが定着したままで、人が集まりにくい状況を打開したい。
学校で開かれる、保護者が多く参加するイベント(ファミリーデーなど)でも、活動をPRしていければ」。