東京ブロックPTA研究大会報告

2月9日(土)府中の森芸術劇場「ふるさとホール」にて、第20回東京ブロックPTA研究大会「ネットが変える社会と心~子どもの心が棲む世界~」が開催されました。

インターネット協会主任研究員大久保貴世氏による、「インターネットをめぐる諸問題の現況報告」では、インターネット協会に寄せられた多くの相談、通報の中から、小中学生が関わる事例をもとに、掲示板への書き込みによるいじめ、援助交際サイトの実態など、インターネットの恐い部分についての、とても生々しい報告がありました。
子どもたちが被害者にも加害者にもならないために、次の二つのことを強調されました。
子どもたちに覚えてほしい知識はたった一つ。
「ネットでは匿名でも誰が発信したのか特定できるということ。」
子どもたちに覚えてほしい心構えもたった一つ。
「必要以上に自分をアピールしない。一度きりでも発信した言葉や写真を取り戻すことが難しいのがインターネットであること。」

是非、子どもたちに伝えたいと思いました。
大久保氏現況報告

シンポジウムでは、精神科医の斉藤環氏、科学警察研究所原田豊氏と大久保氏の3名のシンポジストを迎え、ネットという特殊な空間で子どもたちに何が起きているのか、保護者としての心構え、やるべきことなどをお話しいただきました。
ネット上の空間は、密室性、匿名性という特性のため、攻撃性が増幅されやすく、面と向かっては言えない事も、文字にできてしまうとのこと。誹謗中傷などがエスカレートする一方、周囲の人たちに言えない心の内を文字にし、共感してくれる人を求めてネットの中を彷徨う子どもたちが、顔の見えない出会いをする世界でもあるとのこと。
保護者の世代には無かった文化が、確かに存在していることを改めて知ることができました。

斉藤環氏は、人と繋がることに執着したり、メールやネットにはまっていったりするのは、自己肯定感を求めてのあがきが強い。思春期のもがきや苦しさを大人が理解し、規制するだけではなく子どもとよく話し合い、一緒に考えていく姿勢が大事。親が子どものよきモデルになり、価値観をしっかりと伝えていけるよう頑張れと、保護者へ励ましのメッセージをくださいました。

大久保貴世氏は、大人は子どもの話をよく聞いて、ネットの上っ面のところで振り回されている子どもたちに、自分の経験からのアドバイスをして、安心させてあげて欲しいと訴えました。

原田豊氏は、インターネットのバーチャルな世界は特殊なようだが、すでに、当たり前の普段の生活に入ってきているもの。実社会で許されないことは、バーチャル世界でも許されない。ネットいじめはその典型。きっちりと対応し、被害を受けている人をきちんと保護しなければならない。警察ではそのように動き始めている。犯罪は他者の目が届かないところで起こるもの。家庭や社会では、子どもとのつながりが切れないよう、子どもたちが許容範囲の中からはみ出さないよう、多くの関わりの中で見守っていくことが大事と話されました。
シンポジウム

これらのお話を聞き、ネットや携帯をめぐる問題を解決する手がかりは、心の持ちようや、親子関係、人間関係であることがわかりました。
インターネットは、正しく使えば便利で、楽しいものです。
保護者は、ネット世界を恐れるのではなく、まずは現状を知り、正しい価値観を持つこと。子どもたちが間違った使い方をしたり、必要以上にその世界に入り込まないよう、家庭だけではなく、地域の大人や社会全体で、子どもを守っていく意識を高めていくことが私たちに与えられた課題だと感じました。

現況報告、シンポジウムについては、3月中旬に発行予定の都小P広報紙「PTA東京」でも報告いたします。

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