第2回子育て支援勉強会の報告

平成20年12月6日(土)、都小Pが主催する第2回子育て支援勉強会が足立区北千住のシアター1010で開催されました。
今回のテーマは「安全」。
東京都が調査研究を始めている、最新のICT技術を活用しつつ、地域住民と協働した子ども見守りシステム、学校でのアレルギー対策についての新しい仕組みについて、東京都の担当者から、現状の説明がありました。
また、内閣官房長官秘書官、長崎県警察本部長、防衛庁審議官などを歴任された石附弘氏による「子どもの安全活力について」の小講演がありました。長年の経験に基づいた、子育てと密着したお話は、とても興味深いものでした。
以下、それぞれのお話の要旨をご報告いたします。

「最新技術を活用した子どもの見守りについて」

東京都青少年・治安対策本部総合対策部副参事 後藤了氏

地域で子どもを見守る取り組みが進んでいます。こうした時に活用されるのが、「不審者からの子どもへの声かけは、朝8時と、16時をピークに発生」という警察統計です。しかし、こうした統計には「暗数」があり、子どもの被害状況の全てを網羅したものではありません。また、子どもが一人になるのは、登下校時より帰宅後の外出時の方が多いという調査もあります。
現在の子どもの見守活動には、「死角」があるのではないでしょうか。限られた数のボランティアでは、地域で広く活動している子どもの生活全般を見守ることは難しいのではないでしょうか。そこで、ICT(情報通信技術)を活用することで、見守りの死角を少なくできるのではないでしょうか。
現在、携帯電話やICタグを小学生に貸与し、子どもが緊急時にはピンを引くと学校や地域のボランティアへ緊急連絡が入り、ボランティアが子どもの元に駆けつけるという取組みが、品川区や大阪市などで始まっています。
東京都では、こうした仕組みを都内に普及するための調査研究を行っています。その一環として、保護者の皆様にアンケート調査を行います。アンケート用紙が届きましたらご協力をお願いします。

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お話を聞き、将来、このようなシステムが導入されたとしても、それを使う人の体制作りが重要であることがわかりました。日頃からの地域住民のネットワーク作りは、私たちにできる基本的な防犯対策と言えるかもしれません。
また、子どもたちが危険な場所を発見してマップに落としていく、地域安全マップ作りは、子ども自身に危険を回避する能力をつけるために、とても有効だとのこと。東京都では、指導員の派遣もしてくれるそうです。


小講演 「子どもの安全活力について」 

財団法人国際交通安全学会専務理事・警察政策学会理事・日本市民安全学会会長 石附弘氏

子どもを取り巻く環境、犯罪の質が、昔とは変わってきている現代において、子どもの活動空間、心的空間の安全を守るのは大人の責任である。
子どもの安全を確保するためには、「公的な安全活力」「コミュニティ安全活力」「自助安全活力」という3つの安全の力を結び付けていくことが重要である。
親が注意すべきことは、ただ危険から子どもを遠ざけることではなく、独立した大人になるためのステップとして、子ども自身にも安全センスをいかに身につけさせるかである。例えば幼児期の食育や生活リズムの確立は、自分を律し、危険予測能力や規範意識を向上させることと関係している。朝食をしっかり食べる子、磨き残しのない歯磨きの習慣を持った子は交通事故にあいにくい。毎日の平凡な生活習慣の一つひとつに「人生の安全」の意味と価値観が秘められている。過保護に育てていると危険を認知する力が育たない。幼児期には十分な愛情をかけ、ナイフの使い方や木登りをさせるなど少々危険なことでも必要な時期に安全な環境の下でこれを経験をさせることで、大きな危険を回避する力を身につけることができる。
心的空間の安全の問題としては、サイバー依存症があげられる。これは現代の深刻な問題。
国の宝である子どもを被害者にも加害者にもさせないために、子どもたちの総合安全能力をたくましく育成させていかなければならない。


「アレルギー疾患を持つ児童・生徒が学校生活を安心して送るために~『学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン』の活用に向けて~」

東京都教育庁地域教育支援部義務教育課副参事 横手浩次氏

アレルギーは、今やまれな疾患ではなく、学校やクラスに各種のアレルギー疾患をもつ児童がいることを前提とした取り組みが求められています。これらの疾患をもつ児童に対して適切な取り組みを行うためには、医師による医学的判断をもとにした効率的な仕組み作りと、学校、保護者の共通理解が必要と考え、(財)日本学校保健会に設置された検討委員会から、平成20年4月に文部科学省の監修のもと、「学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)」と、「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」が取りまとめられました。
これは、主治医等により、個々のアレルギーの原因や症状、服用中の薬の情報、発作時の対応、管理・配慮事項などを記載してもらい、学校はこれに基づいて個々の児童生徒の取り組みプランを作成し、教職員全員で共通理解をしていきます。これにより、緊急時には、教職員誰もが対応できる仕組みを目指すものです。
しかし、個人情報の取り扱いについて、万一の時の責任の所在、薬物の管理をどうするかなどの課題も多く、未だ上手く活用されていないというのが現状です。今後も、さまざまな意見を参考に、現場に定着させるための協議を行っていきます。
このような取り組みが始められていることを、一人でも多くの方に知っていただき、アレルギー疾患を持つ児童・生徒が安全・安心に学校生活を送ることができるよう、ご理解をよろしくお願いいたします。

日本学校保健会HPから「学校生活管理指導表」をダウンロードできます → こちら

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